期間工と休業手当について

新型コロナの影響による
ライン停止発表が相次ぐなか、
注目度が増している「休業手当」。

期間工は休業手当を活用できるのか?
説明していきます。

期間工も条件を満たせば、
休業手当をもらえる

まず、結論から言いますと、
条件を満たせば、
期間工も休業手当の対象となります。


休業手当とは
何らかの理由で会社都合により
休業(出勤停止)になった
ときに
適用になる給与保障制度です。

また、有休休暇との重複は不可。
あくまでも賃金ゼロであることが必要です。

労働基準法によって定められている
会社側の義務なので、

(例えば失業手当などのように)
従業員個人が申請するもの
ではないことに注意しましょう。


では、詳しく説明していきます。

休業手当の支給は、出勤停止が前提

先ほども少し書きましたが
大きな前提として、
休業手当という給与保障制度は、

出勤停止(出勤無し)になった場合に、
活用できる制度です。

今回、自動車メーカーが
国内工場の停止を相次いで発表しましたが、

生産ラインが停止していても、
5Sなどライン作業以外の業務や雑務で
出勤が通常通り行われるのであれば、

そこから給料は発生しているため、
休業手当は対象外となります。

今回の生産停止に伴って
・出勤無し+休業手当 にするか、
・出勤あり=通常賃金 にするかは、

自動車メーカーごと、
あるいは工場や部署によっても
違いが表れているようです。

ラインを停止したら
出勤も停止にするという
義務はないため、

賃金を支払っているのなら
もちろん、出勤させても
労働基準法としては問題はありません。

(出勤なし+休業手当なら
 働かずに収入確保されて楽ではありますが、
 法的支払い義務は60%以上なので、
 休業手当が満額であるとは限りません。

 出勤して通常通りの給料をもらえるなら、
 そのほうが良心的という見方もできます)

休業手当によって保障される金額

休業手当によって保障される金額は、
給与平均の60%以上です。

休業手当は、労働基準法第26条によって
会社側の義務として定められています。

労働基準法26条 休業手当

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

なお、100分の60以上とあるように、
あくまでも最低ラインが60%であり、

企業側の判断で70%や90%などに
増額することも可能です。

まとめ

・期間工(非正規)でも、
 休業手当の対象には含まれる。

・休業手当の支払いは、
 労基法による企業側の義務。
 平均賃金の60%以上。

・休業手当をもらうには、
 出勤停止+賃金なしが前提。
 生産休止でも、5S出勤や有休で
 賃金が発生していれば対象外。

おまけ:雇用調整助成金について

新型コロナによる休業などで
休業手当と同様に話題になることが多い、
「雇用調整助成金」も追加説明します。

「雇用調整助成金」は、
会社側が利用する制度なので、
従業員には直接関係のない制度です。

(休業手当自体には
 大いに関係があるので、
 間接的には従業員にも関係あります)

では、説明していきます。

雇用調整助成金があることで、
会社は「休業手当」の
支払い義務を守りやすくなる

「雇用調整助成金」は、
会社が従業員に対して
「休業手当」を支払った際に、

支払った「休業手当」の何割かを、
国が負担しますよ、という制度です。

今回、自動車会社が生産ラインを止めたように、
休業手当を支払うような状況はふつう、
会社側がピンチなときです。

ピンチな状況であるにも関わらず、
会社が「休業手当」として
従業員の給与を保障するのは、
会社側にとって大きい負担となります。

そのため、
会社が「休業手当」を
法律どおりにきちんと支払えるよう
国がサポートします、
というのが「雇用調整助成金」です。

雇用調整助成金による、国の負担割合

雇用調整助成金によって、
国が負担(サポート)する金額は、

会社側が従業員に対して支払った
「休業手当」の2分の1です。
(※自動車メーカーのような大企業の場合。
  中小企業だと3分の2を国が負担)

また、「雇用調整助成金」によって
国が負担する金額の、
1日あたりの上限額は8330円です。
(年度や状況によって
 上限額が変動している可能性あり)

正規社員に支払う場合はわかりませんが、
期間工への休業手当であれば、
この上限を超すことはないと思います。

(ある期間工の給与日額平均が1万円だとして、
 60%を休業手当で支払うなら6千円。

 「雇用調整助成金」によって
 休業手当6千円の2分の1を国が負担するなら、

 国負担額は3千円なので、
 上限の8330円までにはかなり余裕がある。

 (あくまでも仮に)日額2万円で計算しても、
 国負担は6千円で、十分オーバーしない)

今回、新型コロナにより、
雇用調整助成金には“特例”が発動中

自動車メーカーはもちろん、
新型コロナにより
業績が悪化している企業が多いことから、

雇用調整助成金は現在、
政府による特例が発動中です。


先ほど、雇用調整助成金は
大企業の場合の国負担は2分の1
と書きましたが、

今回、新型コロナの特例中は、
会社が従業員へ支払う休業手当のうち、

(雇用調整助成金を会社が利用した場合の)


国負担は3分2(中小なら5分の4)

解雇を行わない場合なら、
国負担は4分3(中小は10分の9)

となっています。

画像引用元:厚生労働省

新型コロナの影響で
生産休止した会社は、
休業手当を出しやすい。

今回の生産休止に伴い、

マツダや三菱自動車が
雇用を維持したままで、
休業手当を支払うと報道されました。

(報道されていないだけで、
 マツダ・三菱以外のメーカーでも
 休業手当の措置をとっている
 可能性はあります)

出勤停止+休業手当を決定した背景には
休業手当を支払う際の
会社負担が通常より少ない(国負担が多い)
という理由もあると考えられます。

休業手当などについて、
わかりやすい参考サイトリンク



※最新情報やより詳細で
 正確な情報の収集には、
 厚生労働省の情報をオススメします。