期間工の作業ミスの再発防止法

作業ミス、不具合、不良をだしてしまったら…

なぜ不具合は起こるのか?

自動車期間工は、一日に何百、何千という量の作業を
繰り返し行うことになります。
当然それだけたくさんの手数をこなせば、
避けては通れないもの……
それが作業ミスです。

特に初めての作業に慣れていないうちは
自分の作業にまったく余裕がなく、
ラインにあおられて急いでいるうちに
ある部品を付け忘れたり、ある作業が抜けていたりと
ミスをしてしまうことは珍しくありません。

ただ、このような場合は
ミスの原因ははっきりしていて、
要するに「習熟度不足」です。
つまり作業に慣れていないから起きているミスであって
これは作業を繰り返し行い、
手数をこなすことで自然に無くなっていくものです。

一番困ってしまうのは、
十分に慣れてしまった作業なのに
起こってしまうミスです。
なぜ困るのかというと、
はっきりとした原因が思い当たらず、
どのように改善すれば再発防止できるのかわからない……
という状況に陥ってしまうからです。

なぜ、このような不具合は発生してしまうのでしょうか?

熟練者のミスは、油断から起こる

結論から言いますが、
作業にある程度熟練した期間工がミスを起こすのは、
高確率で「油断」から起こるものです。
もう少し踏み込んで言うなら、
作業に対する真剣さが損なわれることによって、
熟練者のミスは起こる。
僕はこれまでの期間工の経験から、
このように考えています。

最初のうちは自分の工程に慣れることに必死で、
意識せずとも人は自分の工程、作業に対して
真剣さを常に保っています。
状況的に強制されているといってもいいでしょう。

しかしある一定の熟練ラインを超えると、
あれほど無理と思えた作業を
スピーディーにこなせるようになります。
しかしここで油断をしすぎると、ミスをする。
ここまでは多くの人が気づきますし、
注意することでしょう。

しかしながら、見落としてしまいがちなのが
熟練した自分の作業内容に対する、
自分の心の持ちよう、真剣さです。

作業に熟練してしまったことにより、
自分の作業をなめてしまうのです。
こうなってくるとミスしないよう
注意する行動自体も甘くなってしまい、
結果として、作業ミスを誘発してしまいます。

作業への真剣さを取り戻す

ある程度熟練した作業工程で
ミスを起こしてしまった場合は、
もう一度自分自身を見つめなおす必要があります。

具体的に言うと、
品質のよい車をつくる(組み立てる)
ということに対して、
きちんと真剣に取り組めているかどうかを
考え直しましょう。

期間工は正規社員ではありませんし、
必要以上の責任を負う必要はありません。
しかしながら、
自分の作業、工程からミスは出さないほうが
会社や顧客にとってももちろん、
自分自身にとっても最善である
のは間違いありません。

例えば一日に500台分作業するとして、
一台分の作業は1分にも満たない程度でしょう。
しかし、その一台を買う人にとっては、
その一台がすべてなのです。
しかも数百万を出して買う製品です。

その人が老若男女どのような人であるかは
想像するくらいしかできませんが、
一台分の作業は、
その持ち主となる一人に対しての作業である。

と想像しながら作業に向き合いましょう。

一球入魂という言葉がありますが、
一台入魂といった心持で、
ひとつひとつの作業に心をこめるのです。

これは、深く考えすぎる必要はありませんし、
なんとなくそういう風に想像するだけで
大丈夫です。
じっくりやりすぎるとラインに間に合わないはずなので
丁寧に慎重にやるという意味でもありません。

ただ、作業しているときに目の間にある一台に対して
真剣に向き合って作業を行うだけです。
わずか1分未満の時間ではありますが、
そのとき正面にある一台をしっかりと見据え、
いつもの作業を行っていきます。
終わったら、次の一台も同じように行います。

一台一台にできるだけでいいので
気持ちを入れ、真剣に向き合って作業する。
これだけで、ミスが起こる確率を
劇的に減らすことができます。

熟練してミスするはずのなかった作業で
ミスを起こしてしまったときは、
一台に対する真剣さを思い出すようにしてみましょう。